#雲に隠されて見えないもの
イベント帰り
土曜日の午後6時の駅構内
ゴロゴロと引きずっていたカートから
防御の甘かったフードパックが落ちた
フードパックの中身はお団子3本
ガシャリという音は耳に入ったが
それが自分の出した音だと気づくまで
5、6歩進んでいた
「あっ…」と気づいて振り返ると
赤ちゃんを抱いた女性がそれを見つけ
お団子だと知ると笑いながら拾いあげていた
(あ、恥ずかしい…)
そう思ったので…私に向かって歩き出したその女性に歩み寄りながら
「とても恥ずかしいです…」
笑いながらありのままの気持ちを伝えた
女性はその言葉に笑い声をあげながら
「全然大丈夫です」と言ってお団子を手渡してくれた
恥ずかしさを隠しながらお礼だけ言うよりは、恥ずかしくなくなった…
…ような気がした
私の雲の向こうには
明るい恥がたくさんある
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