#青いハシビロコウ
ある日突然、お店にやって来た女性が僕に語りかけてきました。
「私、今日で会社を辞めるんです。これからはバイトをしながらイラストレーターになるんです」
「そうなんですね。では、このお店のためにイラストをひとつ描いてくれませんか?高いお金は払えませんが、ハシビロコウが描かれているものをお願いしたい」
「それではいくつか描いて、お持ちします」
「いえ、1つでいいです。あなたが良いと思うものを1つだけ。それを買わせてください」
1か月半後、その女性はこの絵画を持って現れた。そして、この絵の物語を伝えてくれた。
「それぞれの物語は誰かと誰かの出会いから始まり、この椅子はこれから出会う人のための椅子。足元に置かれた花は、その人たちのために自分で集めてきた宝の束。目を閉じて頭を下げるハシビロコウは…その人たちの話に耳を傾けているのか、その人たちへの感謝の意か。笑っているようにも、泣いているようにも見える」
…彼女は元気にしているだろうか。
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